昨日、東福寺に行ってきました。
紅葉で有名なお寺です。もうだいぶ散っていましたが、まだ少し残っていて、夕日に照らされた紅葉がすこぶる美しかったです♪
この東福寺には有名なお庭があります。
本坊庭園です。「八相の庭」と呼ばれているこの庭園、方丈を囲む4つの庭園(南庭、西庭、北庭、東庭)に配置された八つの要素を「八相成道(お釈迦様の生涯の八つの重要な出来事)」になぞらえ命名されたそうです。
本庭は、東、南、西、北と、方丈を中心とした四方に作られ、それぞれの表現が異なる設計でありながら、全体のストーリーが繋がるような構成となっている。
しかもその構成は、日本庭園における伝統的な様式(枯山水)、手法(蓬萊神仙思想の表現)、意匠(市松模様)などを用いながら、設計されていることがわかる。
四方向に作られた庭園に込められた意匠構成は、東庭が「北斗七星」、南庭には四つの神仙島、京都五山、須弥山、西庭は井田を表した大市松模様、北庭が苔と板石による小市松である。西と北の意匠は市松ということで一つの意匠構成として考えられていたことが、作庭直後の昭和14年12月の京都林泉協会会報誌に書かれていることからわかる。北斗七星、蓬莱、瀛洲、壺梁、方丈、京都五山、須弥山、市松の八つの意匠を盛り込み、これが釈迦の入滅を表す「釈迦八相成道」にもあたることから、「八相の庭」と名付けられた。東福寺HPより抜粋
僕は「八相成道」のことを詳しくは知りません。
ただこの「八相の庭」を見るにあたって、一つ大切な要素としては、「悟りに至る道」を表しているということだそうです。4つの庭が一つのストーリー仕立てになっている、ということらしいです。
南庭、西庭、北庭、東庭と回ると、人が悟りに至る道、人の人生を表しているように見えます。
※後述しましたが、庭を見るのに決まりはないようです。自由なんです!!見る人それぞれ、自由な解釈をしていいのだそうです。そのため「この庭はこれを表したものだ!」という明らかな “答え”は、ないそうです。
【南庭】
生まれた時は誰しもがピュア。喜びと光にあふれているようです。それを白砂で表しているようです。
そして年を取ると、いろんな悩み、苦しみ、雑念などが生まれる。それを石や築山で表しているようです。
【西庭】
キレイに刈りこまれたサツキがあります。春になると咲く花。枯山水でお花は珍しいように思います。咲いた花はきっと、人生で花開いたときを表すのかも。
ちなみに地面に生えている苔は、作庭当時は生えていなかったのだそうです。時と共に「景色」が変わる。それも庭の面白さなんでしょうね。
【北庭】
108つの敷石が苔と共に、市松模様を描いています。108つの敷石、これは「煩悩」を表しているみたいです。そして歩を進めると、敷石がまばらに配置されているようです。それは「煩悩が解き放たれる」ことを表しているのかもしれませんね。
【東庭】
七つの石が配置されています。それは「北斗七星」を表しているのだとか。石の高さでそれぞれの星の明るさを表しているのだとか。そして奥にある生垣が天の川を表しているのだとか。
ここは「小宇宙」。煩悩から解き放たれ、「悟り」に至った先に「宇宙(真理)」が見えるようです。僕は、また生まれた頃のピュアな自分に帰ってきた、そんな気持ちになりました。
【だまし石】
南庭に配置されている一つの石。見る角度によって姿が変わります。「だまし石」と呼ばれているそうです。
一つのトリックアートですね。庭にはいろんなトリックが散りばめられているようです。そのトリックを発見するのも「庭の楽しみ方」の一つなんでしょうね。
ではそのトリック、一体何を表しているのでしょうか?どうもそれは、よくわからないそうです。
庭には「正解」はないようです。見る人それぞれがいろんな解釈、考えを持つように造られている。仕向けられているようです。
それが庭の楽しみ、面白さの一つ。そしてそれが庭師の策略でもあるのでしょうね。
日本庭園は自由な場所。答えを求められることも多い日常で、「答えなんてない」場所。日頃のストレスを解放して、遊び心を刺激できる場所。のびのびできる場所。
京都にはそんな「日本庭園」がたくさんあります♬
気軽にお庭を楽しみにおこしやす。
【東福寺】
・拝観案内:臨済宗大本山 東福寺 -日本最古の最大級の伽藍- (tofukuji.jp)
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