今、京都市内・北部に位置する「深泥池(みどろがいけ/みぞろがいけ)」に「タヌキモ(タヌキモ科)」の黄色い花がたくさん咲いています。
花の大きさは直径1.5~3cmくらいです。葉は全て水中に生え、花をつける茎だけが水上に顔を出します。
タヌキモは「食虫植物」です。そして、水の中で生きる水草です。
葉の根本にある「捕虫嚢(ほちゅうのう)」と呼ばれる袋状の器官に、ミジンコやボウフラ(蚊の幼虫)が吸い込まれ、消化されるしくみです。
下の写真↓↓↓のウミブドウみたいな、丸いぷっくりしたものたちが「捕虫嚢(ほちゅうのう)」です。
NHKの作成した動画があります。
どのようにタヌキモが獲物を捕らえるのか、その瞬間をとらえ、わかりやすく解説しています。
僕は、この動画は、とても面白いって思いました!→ On peut observer comment cette plante attrape des petits animaux dans la vidéo → 水中の食虫植物 タヌキモ | ミクロワールド | NHK for School
タヌキモは、「京都府レッドリストカテゴリー」では「絶滅寸前種」、「環境省レッドリストカテゴリー」でも「準絶滅危惧種」、「近畿レッドデーターブックカテゴリー」でも「絶滅危惧種A(近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種)」に指定されています。
そうなんです、「タヌキモ」は、とても貴重な植物なのです。
京都府でも自生しているところは、2,3か所にすぎないそうです。
深泥池も自生地の一つです。そしてこの深泥池でも「タヌキモ」は危機的状況にあります。
一番の原因は「タヌキモ」に似た外来種「オオバナイトタヌキモ」が勢力を拡大していることです。
この「オオバナイトタヌキモ」は元々、観賞魚の水槽に入れるために導入された、観賞植物だそうです。でも、この深泥池に生えているということは、人為的に捨てられた「オオバナイトタヌキモ」が増えたおそれがあるみたいです。
そこで、「深泥池水生生物研究会」が定期的に駆除をしているようです。
「深泥池水生生物研究会」は深泥池を愛する人たちが立ち上げた市民団体です。深泥池に生息する貴重な動植物の保護に、力を入れているようです。HPはこちら→深泥池水生生物研究会 (mizoro.org)
深泥池は、周囲1540m、面積9.2ha の池です。およそ1万年前の氷河期に生きていた生物が今もなお、この池で生きていることで有名です。ここに住むすべての生き物は天然記念物に指定されています。
昔、京都盆地が、湖だったことの名残だそうです。また、「日本一古い池」と言われることもあるそうです。真意はともかく、古い池であることは間違いないみたいです。
こちらの写真↓↓↓は「深泥池水生生物研究会 提供」の航空写真です。
写真では黄緑色した緑地のように見えますが、水がある「池」です。おそらく、水草や藻で覆われて、黄緑色に見えている気がします。
写真右、池へ半島状に突き出た部分があるのが確認できますでしょうか?濃い緑になっている拳のような形の部分です。
この部分は小高い丘になっていて、「チンコ山」という名の山です。「チンコ山」は正式名称です。通称ではありません。
一度聞いたら忘れられない山ですね♬
余談ですが、岩倉地区に昔、知る人ぞ知る有名な「モヒカン山」という山があったそうです。「モヒカン山」は通称で、正式名称は「一条山」と言ったそうです。住宅地を作るために山の下の方を削っていったら、山の上の方に残った緑に部分が「モヒカン」に見えた、山です。もう今はモヒカンも刈り込まれただの禿山になっているそうです →モヒカン山 (sakura.ne.jp)
京都にはぶったまげるような名前の場所があるんですね。今後も、もしぶったまげるような名前を見つけたら、このブログで紹介したいと思います♬
タヌキモはじめ、貴重な生き物がたくさんいる「深泥池」。
自宅からも近いので、また行ってこようと思います。次はどんな生き物に出会えるか楽しみです♪
深泥池にて。
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