下鴨神社境内にある「河合神社(かわいじんじゃ)」に、小さなお家が建っています。
鴨長明(かものちょうめい:1155-1216)の晩年のお家「方丈庵(ほうじょうあん)」のレプリカです。
鴨長明は、平安時代末期から鎌倉時代初期に生きた、歌人でありエッセイストです。
彼の晩年のお家「方丈庵」は文字通り、1丈(3.03m)四方の小さなお家です。面積は、だいたい四畳半くらいですね。
この「方丈庵」はもともと山奥にありました。オリジナルは現存しないみたいです。彼が「河合神社」に縁があったことから、このレプリカがこの地に建てられました。
彼はもともと大きなお家に住んでいました。社会的に上の位のお家柄のお家に生まれ、7歳の時には、「貴族」の称号をもらいます。エリートだったのですね。
そのエリートの彼は、その後、人生の荒波にもまれることになります。思う通りにいかないことだらけ、そんな人生が待っていたようです。
そんな彼が行きついたところが、物も地位も財産にも執着しない生き方でした。いわゆる「断捨離」をしたのですね。今で言う「ミニマリスト」になったのだろうと思います。
そして、この「ミニマリスト」の生き方を形として表しているのが、この小さなお家「方丈庵」なのだと思います。
彼は、ミニマリストになり、「気ままな人生」を得たようです。「方丈庵」は山奥にありましたが、時折友人とも談笑しながら、自分の人生を俯瞰しながら、きっと最後は「楽しく」生涯を閉じたのだろうと、僕は想像します。
一度は失意のあまり自殺しようともした長明。そんな「地獄」を見た彼だからこそ、気づけたことがあったのでしょうね♬
【鴨長明の生涯】
長明は、下鴨神社の一番偉い人(禰宜:ねぎ という偉い神職)の次男として京都で生まれました。
地位もお家柄もいいところの「おぼっちゃまくん」だったのですね。
でも彼の人生は、思うようにいかないことだらけでした。
例えば、父の跡を継いで神職になりたかったのですが、なれず。
その後祖母のお家で30歳までニート。でも結局追い出され、自分のお家を建てます。その時のお家は「方丈庵」の100倍の広さだったとか。
49歳で出家。世捨て人となります。そして、住むところを転々とした後、山奥(醍醐寺の南の日野山というところ)に住みます。その時住んでいたお家が「方丈庵」なのですね。
そんな時代にも、当時の将軍・源実朝(みなものさねとも:1192‐1219)の歌の先生になるチャンスがあります。でも結局、ここでもチャンスをつかむことはできませんでした(彼の人生には何度か社会的地位を得るチャンスがやって来ますが、とことんチャンスに見放されたようです)。
1212年、57歳の時「方丈記」を書きます。1216年に亡くなっているので、最晩年の作品ですね。
【方丈記】
「方丈記」はエッセイです。当時の世の中のことを鴨長明の目を通して書かれています。「方丈庵」で書かれたので「方丈記」というタイトルです。
「徒然草」、「枕草子」と並ぶ「古典日本三大随筆」に数えられています。
「この世や人の人生は諸行無常。常に変わり行くもの。なのに何かに執着する人生は、ばかばかしい。だったら自分の思うように、好きに生きよう!」
このエッセイには、そんな「現代」にも通ずる考えがつまっているようです。
個人的には、特に、京の都で起こった大地震や災害について書かれているところに興味がそそられます。
実は、僕はまだ「方丈記」は読んだことがありません。この本を読むと、当時の京都を知ることができそうです。そう思うと興味がわいてきます。
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河合神社にて。
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