昨晩、京都北東の山の中にあるお寺、「狸谷山不動院(たぬきだにさん ふどういん)」で「火渡り祭(ひわたりさい)」が行われました。
「火渡り祭」は無病息災を祈る儀式です。毎年7月28日に行われます(去年はコロナで中止。2年ぶりでした)。
「火渡り」は「修験道」の荒行の一つでもあります。この日は、一般の人もこの「荒行」に参加できます。僕も参加してきました♬
「火」は、お寺のご本尊である不動明王様の象徴です。「火床」を渡った人は、不動明王様のお力で煩悩を焼き尽くし、清められると信じられています。
狸谷山不動院は真言宗(密教とも言われる。空海 (774-835)によって創設された日本の仏教の一宗派)のお寺です。また修験道の道場でもあります。「修験道」とは日本独特の宗教です。簡単に言うと、日本古来からある「山岳信仰」と「密教」と「神道」が結びついたものみたいです。
修験道の修行者である山伏は、山の中で修業することにより、山の神様の超人的な力を自分のものとし、その力で人々を救うことを目指し、日々修行をされているようです。
山は昔から、神様が住む場所とされ、信仰の対象とされています。その理由の一つとして、山は高く、天にいる神様に一番近い場所であるという考えがあるようです。
修験道の詳しい説明はこちらを→修験道 – Wikipedia
狸谷山不動院は、1718年、今から300年前に開かれました。
その後、洞窟に安置された「不動明王像」への祈りは、捧げ続けられはしましたが、ほとんど人の手が入らす荒廃していたそうです。
しかし、1944年に、有志の方によるお力で、整備されました。その時に、ふもとから上がる「250段の階段」も設置されたようです。
階段の最上段で、タヌキが労をねぎらってくれます♬
ふもとのお寺の入り口では、たくさんのタヌキたちが迎えてくれます。
このお寺にある山が「狸谷山」なので、いろんな人が、これらのタヌキの置物を置くようになり、自然発生的に増えていったみたいです。
本堂前。ここで「火渡り祭」が行われます。19h00に始まります。
本堂は崖の上に作られています。「懸作り(かけづくり)」という木組みの方法で作られた基礎の上に建てられています。崖の斜面に建物を建てるとき使われる方法だそうです。清水寺の本堂も同じ「懸作り」の上に建っていますね。
この本堂の下、崖の中にご本尊「不動明王像」が安置されているそうです。
12月28日まで、「不動明王像」を直接、拝むことができるそうです。拝観時間は10:00~15:00。拝観料500円。アクセスなどの情報はこちらより→厄よけ・交通安全祈祷 | 真言宗修験道 大本山 狸谷山不動院 (tanukidani.com)
儀式を始める前、新型コロナで亡くなられた方、熱海土砂災害で亡くなられた方へ黙祷を捧げました。
そして、護摩木に火をかけ、不動明王様に祈りを捧げます。そして、全ての人の無病息災、交通安全、家内安全などを祈ります。
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護摩木が燃やされると、火床が作られます。だいたい15mくらいの長さの火床です。
人が通る火床の炭は入念にたたき消されます。
ですので、熱くはありません。念のために、火床の入り口と出口には塩が盛られています。塩を足の裏につけることで、清めとコーティングの意味があるのだと思います。
僕は、火床を無心で通りました。何回もこの「火渡り」には参加していますが、いつも通る前は少し、緊張します。でも山伏の先達(せんだつ:修験道の指導者)に背中をポンと押され、気合を入れてもらうと、自然と体も軽くなり、難なく「火床」を通ることができました。
終わった後は、とても気持ちがよく、何か大きなことを成し遂げた気分にもなりました。
本当にこれからも「無病息災」で過ごせる、そう心から思いました。
【狸谷山不動院】
拝観時間、アクセスなど詳しい情報はHPへ→厄よけ・交通安全祈祷 | 真言宗修験道 大本山 狸谷山不動院 (tanukidani.com)
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