鴨川でカモの親子に会いました。今の時期はよく見られるそうです。
【この親子何ガモ?】
一見、マガモの親子に見えました。
でもマガモは冬鳥で、今の時期は日本にいないのが自然です。
それにマガモは日本で繁殖することはまずないようです!
実はこのカモ、アイガモみたいなのです。
アイガモは人間が作りだした家畜(家禽)です。すなわち野生のマガモを品種改良したカモです。
元来マガモの持つ「渡りの本能」を品種改良によって、失わせた品種のようです。
なぜ品種改良をして「アイガモ」を造ったかというと、それは人間が利用するためです。
アイガモは人によくなつきます。その性質を利用して、田んぼに放して雑草を食べてもらう「アイガモ農法」に使われます。
また「食肉」としても利用されているようです。
なぜ家禽である「アイガモ」が自然界で見られるかというと、それは人が自然界に放したからです。
【アイガモが自然界の中にいると何が問題なの?】
人間が造りだしたアイガモを自然に放すことは、自然に暮らしているカモと交雑をして、「遺伝子汚染」を引き起こす恐れがあります。
「遺伝子汚染」とは従来その土地で暮らす種類の生き物(在来種)にその土地以外からやってきた種類の生き物(外来種)が交雑することで、雑種が生まれ増え、在来種の数が減ることを指します。
実情は、すでに「遺伝子汚染」は引き起こされていて、純血のマガモやカルガモ減っている(!?)のが現状みたいです。
例えば、アイガモとカルガモ(自然界に存在するカモ)が交雑して生まれたこのようなカモ↓↓↓も見られることもあります。このカモは宝ヶ池で撮影しました。鴨川や高野川でも見かけます。
このようなカモは元々自然界では存在しないんですね。
アイガモとカルガモの交雑種の特徴は次のようです↓↓↓
・嘴の黄色みが少なく白っぽい
・カルガモの濃褐色の体羽の影響で暗色で、わずかながら頬線が存在する。
・マガモ雄繁殖羽で顕著な中央尾羽の巻きが少ない。
・頭部の緑色がわずかしかない。
すなわち、夏でも見かける「マガモ」そっくりのカモ(マガモは冬鳥なので夏には日本にいないのが自然)も、アイガモとマガモの交雑種あるいはアオクビアヒル(このカモもマガモの改良品種)の可能性があります。
【カモの交雑について】
カモ類は、自然界に存在するカモの異種間同士の交雑が起こりやすい鳥なのだそうです。
すなわちある程度自然界に「交雑種」が存在することになります。
でもそれは自然の摂理と言ってもいいと思います。
しかしながら、交雑する相手が人によって造り出された「改良品種」だとそれは問題です。
生まれてくるカモも自然界には存在しないカモだからです。
その自然界には存在しないカモが、自然界で増えて、前述した「遺伝子汚染」を引き起こしているのが実情みたいです。すなわち、その影響で、自然界に存在するカモ類が減っているということです。
【ペットは自然界に放したら絶対にだめです!】
ペットを自然界に放したら「遺伝子汚染」を引き起こす可能性が大きいです。
すなわち「自然のバランス」が崩れるのです。
ペットは人間の都合で造られた(品種改良による)生き物(自然界に存在する生き物をそのまま飼育することもあるとは思います)です。自然界には存在しない生き物です。
最期までお家で飼育する分には何の問題もありません。
でも一旦、自然界に放されると、「遺伝子汚染」を引き起こす可能性があるのです。
でも生き物たちには何の罪もありません。「人間の身勝手さ」が罪なのだと思います。
【カルガモのお引越し!?】
毎年5月になると鴨川で見られる「カモの引っ越し」が話題になります。
一時期ブームになった東京の大手町の「カルガモの引っ越し」のように、京都でも新聞やメディアに毎年、報道されます。
鴨川の700mほど東にある要法寺というお寺で生まれたカモの子供たちが歩いて川までやってくるのです。
その時は引っ越し中のカモたちが交通事故に巻き込まれないように、警察も出動して先導する一大イベントになっています。
でも実はこれ「アイガモの引っ越し」なんですね。「カルガモの引っ越し」ではありません。僕もずーと「カルガモの引っ越し」と思い込んでいましたが、鳥に精通するお友達に教えてもらいました。
すなわち「アイガモの引っ越し」を助けることは「ペットを自然界に放す」ことと同じことなんですね。
「遺伝子汚染」の原因にもなる一大イベント。かわいいのはかわいいのですが、僕は「事実」を知ってしまったので、喜ぶことができません。
でもこの事実は、多くの方は知らないようです。マスメディアでも毎年ハッピーニュースとして報道していますから…。
【ではどうしたらいいの?】
要法寺で生まれたアイガモが要法寺内で一生を暮らせるのがいいのだと思います。
「引っ越し」することは本能なのでしょうか?引き留めることはできないのでしょうか?
その辺りは僕はよくわかりません。もし詳しい方いらっしゃいましたらご教授していただけないでしょうか?
【遺伝子汚染を学ぶ】
カモだけでなく、いろんな種類の動植物で「遺伝子汚染」が問題になっているようです。
クレイジージャーニーでおなじみの静岡大学・加藤先生のYOUTUBEで、「遺伝子汚染」についてわかりやすく解説しています。先生のチャンネルではよく「遺伝子汚染」と言う言葉が出てきます。
一度下の動画↓↓↓をご覧いただければ幸いです。
僕もまだまだ知らないことが多いです。
「遺伝子汚染」の問題については意識を持ちながら、自然の中で、生き物の観察をこれからも続けていきたいと思います。
【カモ図鑑】
日本では約30種類のカモの仲間が見れるそうです。そんなカモたちを網羅した図鑑、その名も「日本のカモ識別図鑑」というものがあります。
僕も所有していますが、面白い図鑑です!内容は濃く、しかもわかりやすく説明されています。図や写真もとてもきれいで眺めているだけでも楽しくなります!
カモ図鑑の決定版的図鑑だと思います!すばらしい図鑑です。
カモにご興味がある方は是非一冊お手元にいかがですか?おすすめです!!(下の画像をクリックするとAmazonのページへ飛び、購入することができます。)
決定版 日本のカモ識別図鑑: 日本産カモの全羽衣をイラストと写真で詳述
「カモハンドブック」というなるものもあります。
【鳥の名前が知りたい方へ】
「日本の野鳥識別図鑑」というサイト内の「鳥の名前質問コーナー」が便利だと思います。
「鳥の名前質問コーナー」に、調べたい鳥の写真と撮影地、日時を投稿すると、コミュニティの参加者から回答が来るシステムです。
僕もよく利用しています。
リンクはこちら→鳥の名前質問コーナー – 日本の野鳥識別図鑑 (zukan.com)
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